2011年06月11日

バゲット

本日はごはん系日記。

バゲット (1).jpg

バゲットたち

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2011年06月09日

「あの日」と「猫」 <その2>

*****  つづき  *******


 珍しく夕方から出勤だったので、息子のお迎えに行った。
先生に話を聞くと、意外とみんな冷静だったようで、
丁度その日の午前中に、園では避難訓練があったとのこと。
 子供たちのいつもと変わりない顔を見て、ほっと一安心する。

 それから勤務先の店へ向かう途中、まだ何回か揺れていた。
他のスタッフに話を聞くと、かなり大きく揺れて、天井の電気、什器が倒れそうな程で、
けれども、買い物を続けていたお客の姿もあったと言う。


 翌日に兄からメールが届いた。
勤務先の学校の校舎はかなり被災して、避難場所にもなった為に、とりあえず自分の車で寝ていたという。
向こうの家族同士の連絡も取れたようだった。
でも、道の状態はひどく、自宅までの道のりもかなりあるので、帰宅は出来ない状態だった。


 それから毎日、息子は不思議なことを言っていた。
「〇〇君(兄の名前)はどこに行っちゃったの?」
「なんでおうちに来ないの?」
 家族の誰もそのことははっきりと話してなくて、息子には誰が大変だとか言わないようにしていた。
きっと何か感じるものがあったのかもしれない。

 毎日の、回数が多く大きい余震に、酔いながら、警戒しながらの生活。
でも、もっと近くの人達は、こんな風に普通の生活も送れるはずが無い。
そんなことを考えながら、兄のことがずっと気になっていた。

 

 我が家には、お爺さん猫がいる。
6〜7年程前から、一番具合が悪そうで、獣医さんからも何年ももたないと言われていた。
けれど、他にいた2匹の猫の方が次々と先に逝ってしまい、このおじいさん猫が最後に残った。
その猫が、地震の日を境に急激に容態が悪化した。
段々動けなくなっていった。
何でこんな時に・・・・正直、そうも思った。

 ある晩、私がお風呂から上がると、とても苦しそうに息をしていた。
昼間からずっと横になって動かなかったと聞いていたので、
背中を反らせて布団から大きくはみ出した体を、元の位置に戻し、軽く頭を撫でた。
横になったまま大きく目を見開いていたので、私も顔を横にして、数センチの距離に顔を近づけて、
「大丈夫?おやすみ」
そう言って、自分の部屋へ行った。

 次の朝、休日だったので少し遅くに起きて、下の階へ降りていった。
母から一言、「ダメだった」と言われた。
 あぁ、やっぱりそうか。
覚悟がなかった訳ではないので、自然と心の中にストンと入ってきた。
朝はまだ寒くて、庭の土はかなり凍っていて、とても固かったので、
しばらくお爺さん猫は、洗面所の脱衣カゴの一番上段の、毛布でフカフカのところで休んでいた。
猫たちの一番のお気に入りの場所。
冷たい体の上の柔らかい縞の毛が、ふわりと揺れていた。
 日が昇って暖かくなってきてから、裏庭で一番大粒で濃い色の花が咲く、八重桜の下に眠らせてあげた。

 息子が聞いてきた。
「ウーちゃん、土の中からどこにお出掛けするの?」
「モグラさんになって、土の中をぐーっとトンネル作って、歩いてくの?」
まだ意味をよく理解できていない息子の頭では、何を想像していたのだろう。
「どこにも行かないよ。ずっとここにいるんだよ。お庭で遊ぶ時は一緒に遊べるね」
そう私が言うと、
「じゃあ、お耳だけ土のお山からピョコって飛び出て、面白いかもね」
そう言って、口に手を当てて、ムフフと笑っていた。


その日の夜、いつもの倍以上時間をかけて通れそうな道をゆっくりと自宅まで運転してきた。
と、兄から連絡が入った。


    

posted by 向夏 at 01:39| Comment(3) | TrackBack(0) | 今日のこと | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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